システムフェイルオーバー
概要
2機のBizBoxServer 「OS Pro」を運用系(以下アクティブ機)と待機系(以下スタンバイ機)に分けることで万一アクティブ機に障害が起きた場合でもスタンバイ機への切り替えを行うことで障害に備えることができます。同一モデル(同容量)間かつファームウェアのVer.が一致している場合のみ、システムフェイルオーバーが可能です。
ここでは説明の一例としてアクティブ機のIPを192.168.168.119、スタンバイ機のIPを192.168.168.121として設定をおこなっています。お使いの環境に合わせて設定してください。
設定方法
システムフェイルオーバーの設定を行う前に以下の設定を行います。
①アクティブ機、スタンバイ機のWAN/LAN1もしくはLAN2(バーチャルIPを設定するインターフェイス)のIPを固定IPで設定してください。DHCPで設定しているとIPが変化したときに正常に動作しなくなります。(この説明ではアクティブ機のIPを192.168.168.119、スタンバイ機のIPを192.168.168.121として固定IPで設定します。お使いの環境に合わせて自由に設定してください。)
②アクティブ機とスタンバイ機のLAN3同士をLANケーブルで直結します。
③スタンバイ機のネットワーク設定のWAN/LAN設定でLAN3のIPアドレスを10.254.253.3に変更します。
スタンバイ機
以下のようにIPアドレスを10.254.253.3、ゲートウェイを10.254.253.2と設定します。このIPアドレスで設定してください。
上記設定が完了した後、システムフェイルオーバーの設定を行います。
システムフェイルオーバー | |
項目 | 説明 |
システムフェイルオーバーを有効にする | チェックすることでシステムフェイルオーバーを有効にします。アクティブ機が大容量である場合、最初のバックアップには時間がかかります。 |
役割 | 現在ログインしている BizBoxServer 「OS Pro」をスタンバイ機にするかアクティブ機にするかを選択します。 |
まずスタンバイ機側の設定を行います。
スタンバイ機 | |
項目 | 説明 |
相手側のIP | アクティブ機のIPアドレスを設定します。 |
ペアリングコード | アクティブ機と共通のペアリングコードを設定します。使用可能文字は英数字で30文字までです。 |
適用 | 設定をシステムに反映します。 |
適用を押下すると以下の画面が表示され、OKを押下すると一度ログアウトします。
スタンバイ機でログインすると以下のように表示されます。
引き続きアクティブ機の設定を行います。
アクティブ機 | |
項目 | 説明 |
相手側のIP | スタンバイ機のIPアドレスを設定します。 |
ペアリングコード | スタンバイ機に設定したペアリングコードを設定します。 |
バーチャルIP設定 | |
項目 | 説明 |
インターフェース | バーチャルIPを割り当てるインターフェースを設定します。 |
IPアドレス | バーチャルIPを設定します。このIPアドレスに対してアクセスすることで普段はアクティブ機に、アクティブ機に障害が発生した場合は自動的にスタンバイ機に接続できます。 |
Heartbeat設定 | |
項目 | 説明 |
インターフェース | アクティブ機とスタンバイ機がお互いの生存確認のために使用するインターフェースを設定します。バーチャルIPと同じインターフェースを設定することもできますが、その場合はデータ同期とネットワークサービスの速度が低下します。 |
アクティブIP |
上記インターフェースに割り当てられたIPアドレスが表示されています。ここでは変更できませんので必要であれば別途ネットワーク設定から変更してください。 |
スタンバイIP | スタンバイ機のHeartbeatに使用するIPアドレスを設定します。インターフェースはアクティブ機と同じものを使用しなければなりません。 ネットワーク設定のLAN3ポートのIPアドレス設定を変更してください。(10.254.253.3へ変更してください) |
正常動作確認設定 | |
項目 | 説明 |
正常動作確認の間隔 | アクティブ機とスタンバイ機が正常に動作しているかを確認する間隔を30秒、60秒、120秒の3段階で設定できます。 |
正常動作確認の回数 | 上記で設定した時間が来た際に正常動作確認の回数を1回、3回、5回の3段階で設定できます。5回変更して下さい。 |
同期スケジュール設定 | |
項目 | 説明 |
スケジュール | アクティブ機とスタンバイ機の同期を行う間隔を5min、10min、30min、毎時、毎日、毎週の6段階で設定できます。 同期スケジュールは頻繁過ぎずかつ長い間隔にならない適度なものを設定することをお薦めします。(毎時~毎日1回程度) |
外部USB同期設定 | |
項目 | 説明 |
External USB Backup | アクティブ機からスタンバイ機へ外付けHDDの同期を行います。本機によってフォーマットされた外付けHDD一台が対象でアクティブ、スタンバイ機双方に接続されていることが必要です。 ※外付けHDDの同期対象にする条件 1)アクティブ側とスタンバイ側の2台のBBS OS Proに接続している外付けHDDは各正しく接続する 2)外付けHDDはアクティブ側とスタンバイ側ともに暗号化フォーマット済みにする。 3)スタンバイ側BBS OS Pro上のフェイルオーバ設定がアクティブ側より先完了する。 4)スタンバイ側で再ログインしExternal USB BackupのStandby USBのチェックボックスは無効になっていること。 ※上記4条件が満たされるとアクティブ側のBBS OS PROにExternal USB BackupのStandby USBに表示されます。 |
適用 | 設定をシステムに反映します。 |
設定後適用を押下すると以下の画面が表示されます。OKを押下するとログアウトされるので再度ログインします。
アクティブ機で再度ログインすると以下の表示になり、システムフェイルオーバーの設定が動作中の表示がされます。
システムフェイルオーバー中は、設定したバーチャルIPでアクセスするようにします。
これによりアクティブ機が動作している時はアクティブ機に、アクティブ機にトラブルが発生してスタンバイ機がアクティブ機に昇格した際は旧スタンバイ機に自動でアクセスできるようになります。
ここに注意
• システムフェイルオーバーを実施している際は上記画像の様にコントロールパネルのストレージ関連の設定にアクセスすることができなくなります。• フェイルオーバーのデータ同期は、ご利用データの容量及び利用のネットワークの速度により時間を要する場合があります。
• アクティブ機故障時の切り替わりは合計約3分かかります。
バーチャルIP でのアクセスの切り替えは約1分、スタンバイがアクティブになり、WebUI解除後に通常の画面に戻るのに約2分要します。
• フェイルオーバを有効化するには、ローカルアカウント(ACL)で設定しているアカウント数は299 以下である必要があります。
• フェイルオーバーのデータの同期実行中は、フェイルオーバーが優先される為、スナップショットの定期実行はスキップされ、システム内部にキューとして保存し、事後に遅延して取得されます。そのためフォルダ・ファイル数が多くなる場合において、スキップと遅延取得を少なくするためには、スナップショットの実施時刻の分散設定、システムフェイルオーバの「同期スケジュール設定」とが重複しないように設計・設定をお願い致します。
システムフェイルオーバ時におけるスナップショットの手動実行は、キューとしては保存されず事後取得は行いません。
システムフェイルオーバー接続構成