『Biz Box Server 「OSPro」』のエラーメッセージに関して
2025.6.5
平素はデータ安心保管プラン(スタンダード)のサービスをご利用くださいまして誠にありがとうございます。
2025年3月1日にご案内いたしました、 Biz Box Server 「OSPro」のファームウェア「 3.02.10.89 」の更新に関するお知らせに関連し、追加されたエラー検出機能について、以下の通り補足説明をさせていただきます。
ファームウェア更新後、一部のお客様環境において、以下の内容のエラーメールの通知及びBiz Box Server 「OSPro」のブラウザ画面にエラー表示される事象が確認されており、複数のお問い合わせを頂戴しております。
■表示されるエラー内容
・「筐体内のSSDキャッシュが劣化しています」
・「ファイルシステム重度異常検知(しました。)ファイルサービスのご利用を中止し、お客様のサービス契約をご確認後、以下対応してください。」
これらのエラーは、ファームウェア「 3.02.10.89 」にて新たに追加された故障未然防止機能によるものであり、潜在的な異常を早期に検出することを目的としています。
そのため、現時点で直ちに修理が必要な状態ではございません。
現在、順次対応を進めておりますが、個別対応にお時間を要するため、ご連絡までに1か月以上お時間をいただく場合がございます。
お客様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
「筐体内のSSDキャッシュが劣化しています」と表示されるエラーに関して
Biz Box Server 「OSPro」に搭載されているキャッシュデバイス「NVMe」に関し、ファームウェア「 3.02.10.89 」より導入された故障未然防止機能により、以下の理由からエラーメッセージが表示される場合がございます。
■ エラーメッセージが表示される理由
長期間にわたりBiz Box Server 「OSPro」をご利用いただいたことにより、NVMeの使用回数が最大値に近づいており、今後も継続してご使用いただくことで、ファイル共有時の読み込みキャッシュ機能(*1)に支障をきたす可能性があるためです。
NVMeの寿命が近づくと、内部のエラー訂正処理や再試行が増えることで、特に同じファイルを繰り返し読み込むような場合に、ファイルアクセスにわずかな遅延が発生する可能性があります。
■ 対応について
このエラーは、故障を未然に防ぐための予防的な通知であり、現時点でBiz Box Server 「OSPro」のご利用ができなくなるものではございません。
そのため、緊急の修理が必要な状況ではありませんが、予防措置として筐体の交換対応を順次実施しております。
現在、アラートが発生したお客様から順に対応を進めておりますが、1件ごとの対応にお時間を要するため、ご連絡までに1か月以上お時間をいただく場合がございます。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
「ファイルシステム重度異常検知(しました。)」と表示されるエラーに関して
このたび、 Biz Box Server 「OSPro」のファームウェア「 3.02.10.89 」にて、起動時にファイルシステムの状態をチェックする新機能を導入いたしました。
本機能は、ファイルシステムの異常を早期に検知し、リモートでの予防的な対応が可能な段階でお客様に通知することを目的としています。
■ エラーメッセージが表示される理由
「 3.02.10.89 」より前のファームウェアまでの修理・解析結果から、以下のような事象が確認されております:
1.メモリ過負荷により処理が遅延し、その状態で電源が強制的に遮断されるとファイルシステムの一部が破損する
2.破損が進行すると、不正なキャッシュが蓄積され、ファイルシステムのマウント(*2)ができなくなる
3.結果としてRAIDの復号化エラーが発生し、HDDへのアクセスが不可能となる
これらの事象を未然に防ぐため、以下の対策をファームウェア「 3.02.10.89 」に実装しております:
A. メモリ過負荷時に自動再起動を行い、強制電源断のリスクを低減(*3)
(再起動は、ファイルシステム異常のチェックのために数時間かかる場合があります。
また冗長構成の場合は冗長構成が解除されます。お客様環境においては、アクセスができなくなる場合もございます)
B. 起動時に不正なキャッシュを削除し、正常にマウントできるようにする
C. ファイルシステムの破損を検知した場合、キャッシュ蓄積が進行する前にお客様に通知し、予防的な修復を促す
今回表示されているエラーメッセージは、上記Cの通知に該当するものです。
■ ご利用について
エラーメッセージには「ファイルサービスのご利用を中止し、お客様のサービス契約をご確認後以下対応してください。」
と記載されておりますが、対策Aによる強制切断の低減、対策Bによる悪化後であってもRAID復号化エラーとならないような対応が含まれておりますので、 Biz Box Server 「OSPro」 は引き続きご利用いただけます。
ただし、保存データの安全性を確保するため、バックアップの実施を推奨いたします。
また、予防措置として筐体一式の交換対応をさせていただく場合がございます。
■対応について
ファームウェア更新後、該当のアラートが表示されたお客様から順次対応を進めております。
本機能はあくまで故障を未然に防ぐための故障未然防止機能であり、緊急を要する製品故障ではございません。
現在、1件ごとの対応にお時間を要しており、ご連絡までに1か月以上かかる場合がございます。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
今後とも、より安心してご利用いただける製品・サービスの提供に努めてまいります。 引き続きBiz Box Server 「OSPro」をご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
用語の説明
■ ファイル共有時の読み込みキャッシュ機能(*1)
・ネットワーク上の共有フォルダ(この場合は、 Biz Box Server 「OSPro」 )からファイルを開くとき、通常は毎回本体のHDDにアクセスしてデータを読み込みます。
・しかし、同じファイルを何度も開く場合、毎回本体のHDDにアクセスすると時間がかかり、ネットワークにも負荷がかかります。
・そこで、一度読み込んだファイルのデータをローカルに一時保存(キャッシュ)しておき、次回以降はそこから読み込むことで、高速化と効率化を図る機能を「読み込みキャッシュ機能」と記載しました。
■ファイルシステムのマウント(*2)
・ストレージ(今回の場合は内蔵HDD)を、コンピュータのファイルシステムに接続して、使えるようにする操作のことです。
・OSのカーネルは、ブロックデバイスの物理アドレス空間を直接扱うのではなく、ファイルシステムを通じて論理的にアクセスします。マウントは「このディレクトリから先は、このデバイスのファイルシステムを使ってアクセスする」というルーティングのような役割を果たします。
メモリ高負荷時の動作とエラー表示に関して(*3)
Biz Box Server 「OSPro」のファームウェア「 3.02.10.89 」では、強制的な電源断のリスクを低減するために、メモリ負荷が上昇した際に再起動を促す通知機能を追加しています。
通知は、ポップアップ表示・イベントログ・メール通知などの形式で行われます。
ユーザーが通知後にキャンセル操作を行わなかった場合は、電源スケジュール設定の実行、または無操作状態が一定時間(30秒)を超えた場合に自動で再起動を行う仕様となっております。
尚、再起動は、ファイルシステム異常をチェックの状況においては、数時間かかる場合があります。
また冗長構成の場合は冗長構成が解除されます。
お客様環境によっては、アクセスができなくなる場合もございます。